ある調査によると、クレジットカード利用者のうち、リボ払い専用カードを保有している人は10%を超えるのだそうです。それほどまでに人気上昇中のリボ払い専用カード、その魅力はどこにあるのでしょうか?
リボ払い専用カードとは
リボ専用カードとは、支払い方法が自動的にリボ払いになるクレジットカードです。店頭で「1回払い」と指定しても、実際の支払いはリボ払いとなります。利用時や利用後にリボ払いの手続きをしなくても済みますが、1回払いや分割払い・ボーナス払いなど、他の支払い方法は指定できません。
リボ払い専用カードの最大のメリットは、その付帯サービスの充実さにあります。年会費無料ながら、ポイント還元率、海外旅行保険など各種付帯保険は年会費有料やゴールドカード並のサービスレベルになっています。リボ払い専用カードを選んだ人の多くが、付帯サービスの充実度を理由に入会しています。
一方で気をつけたいのは、リボ払いには手数料が発生するということです。各社平均して年率14~15%の利息がかかります。
返済内容によってはポイントなどで得たメリットをはるかに超えるコストが発生する可能性があるので、利用には注意が必要です。
年会費無料なのに豊富な付帯サービス
リボ払い専用カードは、年会費無料でありながら高還元率などのメリットが大きいのが特徴です。一般の年会費無料カードに比べて、その充実度は一目瞭然です。
一般的な年会費無料カード | リボ払い専用カード | |
年会費 | 無料 | 無料 |
ポイント還元率 | 0.5% | 0.5%~2.0% |
海外旅行傷害保険 | なし | 最高2000万円自動付帯など |
ショッピング保険 | なし | 最高100万円など |
支払い方法 | 1回・分割・ボーナス・リボ払いなど | リボ払いのみ |
特にポイント還元率の高さは際立っていて、通常の2倍から3倍のポイントを得ることも可能です。高還元率で有名なカードとしては、「DCカード Jizile(ジザイル)」の1.5%、「ジャックス ポンタプレミアムプラス」の2.0%があげられます。
海外旅行傷害保険も付帯しているものが多く、「JCB EIT」の最高2,000万円まで自動付帯はゴールドカード並の水準です。カードで購入したものを一定期間補償してくれるショッピングガード保険が付いているリボ払い専用カードも多くみられます。
年会費無料で付帯サービスが充実しているカードを探しているなら、リボ払い専用カードは有力な候補になるでしょう。
トラブル続出!?リボ払い専用のデメリットとは
いいことずくめのように見えるリボ払い専用カードですが、気をつけたいデメリットもあるので注意が必要です。
まず、リボ払いには手数料がかかるということを忘れてはいけません。リボ払いの手数料は年率15%が一般的ですから、10万円を使って月々5,000円ずつ支払うリボ払いにすると、完済するには1年半から2年ほどかかり、利息は1万円~1万5,000円にもなります。これでは、高い年会費を払ってスペックの高いカードを持っている方がおトクかもしれません。
よくあるトラブルとしては、「リボ払い専用とは知らずに入会してしまった」というケースです。
デパートやスーパー銭湯、家電量販店・販売店ではリボ専用カードの普及に力を入れているところがあり、リボ払い専用であることの説明が不十分なまま、ポイント還元やキャッシュバックを売り文句に入会をすすめてくることがあります。
「やけにサービスが充実しているな」と思ったら…
リボ払い専用カードかどうか確認してから申し込むことが大切です!
リボ払い専用カードの賢い使い方
「リボ払いの手数料は払いたくないけど、リボ払い専用カードの特典は活用したい」。そんな場合は、リボ払いの手数料を回避しつつもカードの機能はそのままにできる賢い使い方があります。
リボ払い専用カードは通常申し込み時点で月々の支払額が少なめ(3,000円や5,000円)のリボ払いに自動設定されています。このまま素直に支払っていては莫大な利息を払うハメになるので、次のような手続きをして返済を一気に終わらせることが重要です。
自由払いで月々の支払額を最大に
リボ払いには月々の支払額を自由に設定できるタイプがあります。初期設定では最小になっていますが、これを最大に引き上げると1回払いをしたことと同じになり、リボ払い手数料は発生しません。
たとえば「JCB EIT」というリボ払い専用カードの場合、ショッピングリボ払いの限度額は20万円です。リボ払いの支払い方法の設定画面で月々の支払額を20万円に変更しておくと、ひと月20万円までなら1回払いをするのと同じになります。
繰り上げ返済で全額支払う
月々の支払額を自由に設定できないタイプのリボ払い(残高スライド)だと、上記の方法は通用しません。その場合は繰り上げ返済(追加返済・臨時返済ともいう)で全額支払ってしまいましょう。多くのカード会社では、インターネット上の手続きや銀行ATMやコンビニATM・振込みなどで繰り上げ返済ができるようになっています。
ただし、まれに全額繰り上げ返済をすると手数料が発生するケースがあるようですので、あらかじめ確認してください。
このように、少々手続きは必要ですが、リボ払い専用カードでも手数料を払わずに多くの特典を享受することは可能です。
リボ払い専用カードは、初期状態に使っていてはリボ払い手数料がかさんで大変なことになりますが、少しの工夫でメリットを最大限活用することが可能です。