年会費・発行手数料・ポイント還元率

自動車で高速道路をよく利用する人には、ETCカードが不可欠です。ETCカードはクレジット会社が発行していますが、種類がたくさんありすぎて選ぶのに苦労します。今回は、「ETCカードってどうやって作るの?」「何を基準に選んだらいいの?」という方のための、ETCカード入門編です。

「ETCカードの作り方」には4つのパターンがある

ETCカードを作るには、以下の4通りがあります。それぞれに特徴やメリットがありますが、今のところクレジットカードと同時申し込みをする人が多いようです。

①クレジットカードと同時に申し込む
クレジットカードを新たに作る時に、ETCカードも同時に申し込む方法です。クレジットカードの申し込み画面で「ETCカードを同時に発行」欄にチェックするだけです。入会には審査があります。クレジットカードの審査に通らないと、同時発行のETCカードも作ることはできません。
②すでに持っているクレジットカードに追加して申し込む
いま持っているクレジットカードにETCカードを追加発行することもできます。クレジット会社のホームページから申し込めるほか、電話や窓口でも受け付けているところがあります。クレジットカードを作る時にすでに審査をしているので、ETCカードを作る際の審査はありません。
③クレジットカード一体型ETCカードを申し込む
基本的にはクレジットカードとETCカードが別々になった「分離型」が一般的ですが、2枚の機能が1枚になった「一体型」カードもあります。カードが1枚で済むのがメリットですが、車上荒らしや紛失の際、ETCカードだけでなくクレジットカードも失くしてしまうことになります。また、クレジットカードで買い物しようとしたら車に入れっぱなしだったということも。クレジットカードとETCカードを日常的に使う人には向いていません。
④ETCパーソナルカードを申し込む
通常、ETCカードはクレジットカードとセットですが、どうしてもクレジットカードは作りたくない、もしくはクレジットカードの審査に通らないという場合は、「ETCパーソナルカード」という選択もあります。これはクレジットカードに信用保証してもらうのではなく、あらかじめ保証金(デポジット)を支払っておくことで利用できます。保証金は最低でも4万円は必要です。

年会費・発行手数料・更新手数料をチェックしよう

ETCカードを選ぶ際にまずチェックしたいのは、年会費や発行手数料・更新手数料です。気をつけなければいけないのが、クレジットカードの手数料とは別、という点です。クレジットカードの年会費や発行手数料が無料でも、同時発行するETCカードは有料、というケースは少なくありません。

たとえば、楽天カードの場合、本体のクレジットカードの年会費・発行手数料は無料ですが、ETCカードは年会費が毎年500円かかります(楽天ダイヤモンド会員、プラチナ会員は無料)。

リクルートカードも、VISAの場合は発行手数料が1,000円かかります。

このように、ETCカードの年会費や発行手数料・更新手数料はクレジットカードとは別ですので、申し込む前にしっかり確認することが大切です。

ETC利用でポイントを貯める

ETCカードは原則親カードであるクレジットカードのポイント制度の対象になります。ショッピングで利用した金額の一部がポイント還元されるのと同様、ETCで支払った高速道路通行料にもポイントが付きます。たとえば還元率1%のカードで通行料を3,000円払った場合、30ポイント付与されます。ETCをよく利用する人は、高還元率のカードにしておくと多くのポイントを得られます。

ただし、中にはETC利用分はポイント還元の対象外というクレジットカードもあります。たとえばポケットカードのP-oneカードは自動的に買い物額の1%が割引になるのですが、残念ながらETC利用分は対象になりません。

逆に、ETC利用分はポイントがアップするというクレジットカードもあります。NEXCO東日本のニコス E-NEXCO passなら、ETCカードで通行料金やSA・PAでの買い物代を支払うと、ポイントが2倍になります。NEXCO東日本エリアをよく使うなら一考の余地があります。

ETCマイレージサービスには必ず登録を!

一方、ETCカード独自のポイントサービスもあります。「ETCマイレージサービス」です。各道路公社が主催するもので、たとえばNEXCO東/中/西日本の場合、10円につき1ポイントが還元されます。なんと還元率は10%です。貯まったポイントは通行料などに利用できるので、使えば使うほど通行料が安くなります。

クレジットカードのポイント制度とはまったく違うものですので、クレジットカードのポイントもETCマイレージもダブルで貯められます。利用にはETCマイレージサービスへの登録が必要です。ETCカードを作ったら、必ず登録するようにしましょう。

ETCカードの選び方について、ひとつ重要なことがあります。

実は、ETCカード自体の機能はどれもほぼ同じです。違うのは年会費などの手数料と、発行スピードくらいです。

結局、ETCカードはどれも同じ

たとえば、よく「ガソリン代が割引されるETCカード」「ロードサービス充実のETCカード」というキャッチコピーを目にしますが、これは厳密にはETCカードの機能ではなく、クレジットカードの付帯サービスです。

たしかにETCカードを作る人は車をよく使う可能性が高いですから、ガソリン代やロードサービス代が節約できるクレジットカードを持っているとおトクかもしれません。しかし、今持っているクレジットカードで十分と考えているのに、わざわざETCカードのために新しいクレジットカードを作る必要はありません。既存クレジットカードにETCカードを追加発行する方法もあります。

それでも新しいクレジットカードの方が良いと判断した場合は、ETCカードが発行できるクレジットカードのうち、ポイント還元率や付帯サービスが気に入ったものを選びます。「ETCカード選び」は、いかに「お気に入りのクレジットカードを見つける」かが重要なのです。