入会条件・メリット・付帯サービス内容

ゴールドカードというと、カードが金色、支払いの時にちょっと誇らしい、しかし年会費が高い、そんなイメージではないでしょうか。たしかにゴールドカードは素敵ですが、そのために毎年1万円も払うのは割に合わないと感じる人は少なくないでしょう。

ゴールドカードを持つメリットはステータスだけではありません。

手厚い付帯サービスをフル活用すれば、高い年会費も十分にもとが取れます。もはや、ゴールドカードは限られた人のみが持つものではなくなってきています!!

入会が簡単になってきた、最近のゴールドカード事情を説明しましょう。

多様化するゴールドカード

2000年代前半くらいまで、ゴールドカードの入会基準は「年収500万円以上・満30歳以上・勤続年数5年以上」が一般的でした。しかし現在ではそれほど条件は厳しくなく、年会費が低めのゴールドカードであれば年収200万円から申込みが可能です。年会費1万円程度なら、25歳以上で年収400万円以上が目安です。20歳代前半でも持てるヤングゴールドカードもあります。

一方で年会費が5万円以上するような超ハイグレードのものもあり、ゴールドカードは幅広い層を対象とするべく、年々多様化しています。同時に付帯サービスも多様化しており、ゴールドカードを選ぶ際には目的やグレードを考慮する必要が出てきました。

カードの種類年会費の目安入会資格付帯サービスステータス
ブラックカード10万円〜35万円かなり厳しいかなり手厚い
プラチナカード3万円〜10万円厳しい手厚い
一般的なゴールドカード1万円〜3万円やや厳しい手厚い
低年会費ゴールドカード0円〜5千円一般カードと同様か、やや厳しい程度サポートや付帯保険などは一般カードと変わらず、ポイントに特色があるものが多い。
ヤングゴールドカード0円〜5千円

一般的なゴールドカードとは、年会費が1万円代で旅行保険や空港ラウンジが使えるものを指します。ショッピング保険や専用デスクなどサポート体制もしっかりしています。ゴールドカードよりも上にはプラチナやブラックといったハイグレードカードあり、サービスも年会費もハイクラスです。一方、若い人や年会費を節約したい人のために用意されたややカジュアルなゴールドカードは、一般カードに少し特徴が加わっただけのものが多く、入会も難しくありません。

ここでは一般的なゴールドカードを想定して話を進めていきます。

そもそもゴールドカードを持つメリットとは?

ゴールドカードを持つことには、目に見えるメリットと目に見えないメリットが存在します。目に見えるメリットとは、海外旅行保険・国内旅行保険、空港ラウンジ利用、高ポイント還元率、特典割引など、お金に換算できるメリットです。目に見えないメリットとは、持っているだけで信用力が上がるステータス、専用サポートデスク、海外のトラブル相談、医師の健康相談など、安心や満足度を得られるメリットです。

どのようなメリットを重視するかによって、ゴールドカードの選び方は変わってきます。海外でのステータスを重視する人が、楽天カードやイオンカードを選ぶのは賢明ではありません。また、ポイントやマイルの還元率を重視する人が、アメックスやダイナースを持つのもちょっと違います。

ゴールドカードを選ぶときは、自分がどのようなポイントを重要視しているのか先に確認しておく必要があります。

次に、ゴールドカードで活用したいサービスとそれに適したカードをご紹介します。

持っているだけで旅行保険に加入

海外によく旅行や出張に行かれる方は、海外旅行保険は必須です。

多くのゴールドカードは海外旅行保険が自動付帯(カードで支払いをしていなくても持っているだけで補償の対象)となっています。比較する際は、補償金額だけでなく、対象期間は何日間か、家族に迎えに来てもらう際の渡航費は出るのかなども確認しましょう。家族の分も保険に入りたい方は、本人以外の家族にも保険が適用される家族特約付きというカードもあります。年会費の高さと補償内容が正比例するとは限らないので、それぞれ比べることが大切です。

旅行保険に強いゴールドカードとしては、カード発行会社の業種は問いませんが、国際ブランドではやはりアメリカン・エキスプレスが強いですね。また、日本の信販会社もがんばっています。

空港ラウンジでゆったりすごす

付帯保険のほかに、空港ラウンジのゴールドカードのサービスとしてよく知られています。静かでゆったりとした空間で、フリードリンクや軽食が提供され、コピー・FAX・無線LANが使えます。移動に飛行機を使うことが多く、乗り継ぎなどで空いた時間の過ごし方に困ることが多い方は、一度使ったら手放せないかも知れません。特に出張の多いビジネスマンには魅力的です。

ゴールドカードであれば、たいてい空港ラウンジサービスは付いています。しかし多くが本人だけしか利用できず、使える空港も国内と近隣の海外(ハワイや韓国など)に限られます。したがって、空港ラウンジサービスを比較するときは、「同伴者が無料で利用できるか」「プライオリティパスが使えるか」に注目すると良いでしょう。プライオリティパスとは、世界120ヵ国400都市以上の空港内にある850カ所以上の空港ラウンジを、航空会社や搭乗クラスに関係なく利用できる権利です。

空港ラウンジが充実しているカード例

  • セゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード
  • ダイナースクラブカード
  • 楽天プレミアムカード

ポイントや優待で日常生活をおトクに

海外に行くことは少ないけどゴールドカードを持ちたいという方には、日常生活でさまざまな特典を受けられるゴールドカードがあります。

注目したいのが、流通系(デパート・ネットショッピング)や通信系のカードです。一般カードよりもはるかに高いポイント還元が受けられます。たとえばタカシマヤカードゴールドは高島屋店内利用で8%、AmazonはAmazonでのショッピングで2%還元のほかプレミアム会員費が無料になるという特典があります。

ポイントや優待が充実しているカード例

  • タカシマヤカード《ゴールド》
  • Amazon MasterCardゴールド
  • dカード GOLD

やっぱりステータスも捨てがたい

ステータスだけではないと言いましたが、やっぱりゴールドカードのステータスは捨てがたいものがあります。いわゆる「ステータスカード」は、カッコイイだけじゃなくて身分証明書にもなります。空港のセキュリティ審査も通りやすくなりますし、ホテルでグレードの高い部屋に変更してもらえるなど、多くのシーンで一目置かれる存在になれます。

ステータスカードの代表格であるダイナースクラブには、ゴールドカードというカテゴリーはありません。一般カードですでに他のゴールドカードやプラチナカードと同じくらいの価値があります。ゴルフや乗馬などのイベントも盛んで、エンターテイメント性はばつぐんですが、ポイント還元や割引制度など、生活感のあるサービスはあまり充実していません。

ステータスの高さに定評のあるカード例

  • ダイナースクラブカード
  • アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード

困った時はサービスデスクに

ゴールドカードには専用サービスデスクが用意されていますが、コンシェルジュのように手厚いものから単なるコールセンターのようなものまであり、得意分野もそれぞれです。

サービスデスクの仕事には、主に海外でトラブルや相談に対応するトラベルデスクや、ホテルや航空チケット、コンサート、レストランの予約代行をおこなう予約・手配業務、カード会社によっては医師による健康相談や贈答品の手配まで行うところがあります。

日本人にとって頼りになるのはJCBのサービスデスクです。海外でも日本語が話せるスタッフが常駐しており、何かあった時にも迅速に対応してもらえます。JRや国内航空券、コンサートチケットの予約にも強みがあります。

海外だとやはりアメックスです。T&E(トラベル&エンターテインメント)カードといわれるだけあって、旅行や娯楽の分野で大きな存在感があります。

サービスデスクに定評のあるカード例

  • JCBゴールド
  • アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード

ゴールドカードが向いている人とは?

このように、ゴールドカードにはステータスだけではないさまざまなメリットがあることをみてきました。しかし、ゴールドカードはどんな人にも価値のある存在なのでしょうか?

生活スタイルによっては、ゴールドカードに向いていないタイプの人がいます。たとえば、出張や旅行がめったにない人は、旅行保険や空港ラウンジのサービスが充実しているゴールドカードは無用の長物です。また、あまりカードで買い物をしない人は、いくら還元率の高いカードを持っていても恩恵はわずかです。さらに、イベントや海外旅行に興味がない人は、トラベルデスクを利用することもないでしょう。もちろん、ステータスに必要性を感じない人にステータスカードは不要です。

ゴールドカードは、移動や買い物が好きで、趣味が多く活動的な人に向いています。

ゆったりとミニマムな生活を好む方は、ゴールドカードがなくても豊かな生活が送れるので、わざわざ高い年会費を払ってゴールドカードを持つ必要はありません。