特徴・手厚さの理由・格安ゴールドとの違い
ヤングゴールドカードは、将来のゴールドカードホルダーと目される20代を対象としたクレジットカードです。年会費や審査基準はゴールドカードよりも低めにおさえられていながら、ゴールドカードに目劣りしない付帯サービスが特徴です。20代にとって恩恵の多そうなヤングゴールドカードですが、見落とされがちなデメリットにも要注意です。
ヤングゴールドカードの特徴
ヤングゴールドカードの特徴は、以下のように集約されます。
- 20歳代に限定
- 年会費はゴールドカードより低め
- 審査基準はゴールドカードより低い水準
- サービス・特典はゴールドカードに劣らない
- 無審査でゴールドカードに昇格
ヤングゴールドカードの入会基準は「20歳以上29歳以下で安定継続収入のある方」となっています。「30歳以上で年収400万円以上」といわれるゴールドカードに比べると、かなり入会しやすいカードであることが分かります。
年会費は3,000円~5,000円前後と、一般カードよりは高めですが、ゴールドカードとしてはかなり低めです。年会費が低いとサービスも限定されるのでは?と心配になりますが、ヤングゴールドカードに限っていうと、付帯サービスはゴールドカードと遜色ありません。多数の国内空港ラウンジが使えるほか、最高5000万円の海外旅行保険やショッピング保険、一般カードよりも還元率の高いポイントプログラムもそなわっています。
ヤングゴールドカードは20代限定のカードなので、30歳になると自動的に同種のゴールドカードに更新されます。
30歳になってから審査基準の高いゴールドカードに申し込むより、審査基準が低めのヤングゴールドカードを持っておいて移行する方がスムーズです。
もちろん、ヤングゴールドカード時代にきちんと利用・返済実績を残しておくことが前提です。
ヤングゴールドカードはなぜ手厚いのか?
年会費が低めなのに特典が豊富なヤングゴールドカードですが、カード会社はなぜそのような手厚いカードを発行するのでしょうか?
それは、長く付き合える「優良顧客」を早めに囲い込もうとするカード会社の戦略だからです。クレジット―カードはいったん保有すると、よほどのことがない限り解約したりのりかえたりすることはありません。したがって、最初にどのカードを持つかが非常に重要になってきます。ヤングゴールドカードは、将来有望な若者をターゲットとした“ドアノックツール(=商品選択のきっかけとなるツール)”なのです。
一般カードのドアノックツールとしては「学生専用カード」があります。学生専用カードは年会費無料で豊富な付帯サービスを利用できるカードですが、学生卒業と同時に一般カードに自動更新されます。ヤングゴールドカードはもうワンランク上のゴールドカードへのドアノックツールです。
「ヤングゴールドカード」と「格安ゴールドカード」の違い
もうひとつ、手軽なゴールドカードとして「格安ゴールドカード」があります。格安ゴールドカードも年会費安く入会基準が緩めなのが特徴ですが、ヤングゴールドカードとの違いはどこにあるのでしょうか?
まず、ヤングゴールドカードは20代限定ですが、格安ゴールドカードには年齢制限はありません。さらに大きく違うのは付帯サービスです。ヤングゴールドカードの付帯サービスはゴールドカードに匹敵する水準ですが、格安ゴールドカードは特典の範囲がやや限定されています。ゴールドカードの一種でありながら、空港ラウンジが使えないものや旅行保険が付いていないものがあります。しかし一方でポイントプログラムが充実しているものが多く、そういった実用的なところで一般カードとの差をつけているようです。
もし20代でゴールドカードの一歩手前のカードに興味がある場合、間違いなくヤングゴールドカードを選ぶほうがおトクだと思われます。
代表的なヤングゴールドカード
ヤングゴールドカードとして有名なのは、「三井住友プライムゴールドカード」と「JCB GOLD EXTAGE」です。どちらも有名カード会社が発行していて、ステータス・安全性ともに十分な水準です。三井住友プライムゴールドはVisa・Masterから選択でき、JCB GOLD EXTAGEはカードフェイスを通常デザインとディズニーデザインから選ぶことができます。
三井住友プライムゴールドカードのスペック | |
年会費 | 5,000円 ※初年度無料 |
入会資格 | 満20歳以上30歳未満で、ご本人に安定継続収入のある方 |
旅行保険 | 国内外最高5,000万円(うち1,000万円自動付帯) |
空港ラウンジ | 国内28空港40ヵ所 |
ショッピング保険 | 年間300万円まで |
ポイント還元率 | 0.5~1.0% |
利用枠 | 50~200万円 |
JCB GOLD EXTAGEのスペック | |
年会費 | 3,000円 ※初年度無料 |
入会資格 | 20歳以上29歳以下で、ご本人に安定継続収入のある方 |
旅行保険 | 国内外最高5,000万円(利用付帯) |
空港ラウンジ | 国内28空港42ヵ所、ハワイ・ホノルル国際空港 |
ショッピング保険 | 年間200万円まで |
ポイント還元率 | 0.5~1.5% |
利用枠 | 審査後に決定 |
注意点は「解約手数料と自動更新」
このように、コストが少なくてメリットの多いヤングゴールドカードですが、取得する際には注意しておきたい点がいくつかあります。
ヤングゴールドカードには、解約手数料がかかるタイプのものがあります。先ほど紹介した「JCB GOLD EXTAGE」は5年でカードが切り替えとなるのですが、それまでに解約してしまうと解約手数料が発生します。会員1人あたり2,000円ですので、家族会員が1人いると合計4,000円かかってしまいます。
また、ヤングゴールドカードは30歳になるか契約期間が終わるとゴールドカードに自動更新されるので、更新後はゴールドカードの年会費を払っていかなければなりません。たとえば「三井住友プライムゴールドカード」の年会費は5,000円ですが、ゴールドカードになると倍の1万円に跳ね上がります。その値段を払ってでも手に入れたいサービスやステータスがない限り、無理にゴールドカードを持つ必要はありません。
ヤングゴールドカードは費用対効果の高いクレジットカードですが、20歳代の期間限定のサービスであることに注意して、「ヤング後」をどうするか決めてから入会することをオススメします。