リボ払い金利手数料シミュレーション

リボ払いは「毎月の負担が軽くなる」「支払いが一定額だから分かりやすい」といわれる一方で、「金利手数料が高い」「使いすぎると地獄」ともいわれています。

実際、リボ払いはどのくらい金利手数料がかかるのでしょうか?具体的な数字を使ってシミュレーションしてみました。

リボ払いとは

リボ払いとは、使った金額や件数にかかわらず、毎月決まった金額を支払う返済方法です。たとえば同月に3万円と5万円の買い物をした場合、1回払いなら翌月に合計8万円の支払いが来ますが、月々の返済額を1万円に設定したリボ払いの場合、毎月1万円ずつ8回支払うので、月々の負担が少なくて済みます。

それならリボ払いの方が楽で良いじゃないと思うところですが、リボ払いの怖いところは金利手数料がかかることです。利率は各カード会社でまちまちですが、およそ15%が一般的です。これは、消費者金融などのキャッシングでお金を借りるのと同じくらいの手数料です。

分割払いとの違い

月々の負担が少なくて手数料がかかるのは分割払いも同じですが、いくつか違いがあります。分割払いは使ったぶん翌月の支払いに上乗せされるので、たくさん使えば翌月の支払いは増えます。たとえば3万円の3回払いの商品を2つ買った場合、翌月の支払いは3万円/3回X2の2万円です。しかしリボ払いの場合、いくら使っても翌月の支払いは1万円です。

また、分割払いは3回払い・5回払い・10回払いと支払いがいつまでか明白です。リボ払いは毎月一定額を支払うので、複数回利用するとあと何回支払いが必要なのか非常に分かりにくくなっています。

リボ払い手数料シミュレーション

では、実際にどのくらい金利手数料がかかるものなのか、シミュレーションしてみましょう。

返済条件①

リボ払いで利用した合計金額100,000円
月々の支払金額10,000円
手数料率(実質年率)15%
⇩ ⇩ ⇩
返済シミュレーション①

支払回数10回
支払総額105,653円
うち手数料5,653円

※元金定額コースを想定した試算。実際とは異なる場合があります。リボ払いには「元金定額」「元利定額」「残高スライド」などの返済方式があり、利率も各社で異なるので、詳しくはカード会社にお問い合わせください。

あれ?10万円の買い物をした割には、手数料はそれほど大きくない気がします。リボ払いは金利手数料が高いという噂は大げさだったのでしょうか?

ここで、使った金額を3倍にし、月々の支払いを半分にして再度シミュレーションしてみましょう。

返済条件②

リボ払いで利用した合計金額300,000円
月々の支払金額5,000円
手数料率(実質年率)15%
⇩ ⇩ ⇩
返済シミュレーション②

支払回数60回
支払総額410,724円
うち手数料110,724円

※元金定額コースを想定した試算。

なんと、利息だけで10万円を超えてしまいました!支払回数も60回と、5年も返済が続くことになります!

このように、リボ払いは返済期間が長くなると、とてつもなく手数料が高くつくことが分かります。返済期間は、利用金額が大きい場合と月々の返済額が小さい場合に長くなります。

たくさん使うと返済が大変なのは想像がつきますが、月々の返済額がひかえめだと意外と影響が大きいことを覚えておきましょう。

本当に怖いのは少額の繰り返し利用

先ほどは1回の買い物だけを想定していますが、リボ払いで本当に怖いのは複数回の利用です。いちどに30万円の買い物だとさすがに大きいと実感できるでしょうが、たとえば毎月3万円ずつとするとどうでしょうか。あまり浪費している感覚はありませんね。しかし、それをすべてリボ払い返すにすると、とんでもないことになります。

実質年率15%(月利1.25%)の元金定額コースを選択したとしましょう。3万円使った翌月、5,000円+手数料を返済しても、残高は2万5,000円残っています。翌月また3万円使うと残高は5万5,000円、返済をしても5万円です。

こうして毎月2万5,000円ずつ残高が増えていき、それに対する手数料も375円、688円、1,000円・・・と増額していきます。

12カ月たったころ、支払回数は12回で、支払った手数料は2万1,313円にも上ります…

にもかかわらず、残高はまだ30万5,000円と、ほとんど減っていません。これでは一体いつになったら返済が終わるのか、見当もつきません。

「リボ払いは怖い」といわれる理由

シミュレーションして分かるように、リボ払いで怖いのは返済期間が長引くことによる利息の増大です。返済期間を長引かせないためには、利用者がカード利用をおさえて早めに返済することが大切です。

しかし、月々の負担が小さいため、なかなか危機感を持つことが難しい仕組みになっています。3万円使っても5,000円しか請求が来ないのですから、錯覚してしまうのは無理もありません。まさに、リボ払いの最大のメリットがデメリットを助長しているのです。

返済が長引きやすいこと、利用者が危機感を持ちにくいこと、そのために想定をはるかに超える手数料が発生すること。これがリボ払いの大きな落とし穴です。

カード会社は利益率の高いリボ払いをどんどん推奨してきますが、利用者の財布には限度があります。しっかり残高を管理できる自信のある人でなければ、基本的にリボ払いは利用しない方が無難だといえるでしょう。

それでもリボ払いにしたいのなら

最近ではリボ払いにするとポイントが2倍や年会費が安くなるカードもあり、利用者がどんどん増えています。しかし繰り返し述べてきたようにリボ払いには手数料がかかるので、利用は管理できる範囲内に抑えたいもの。どうしてもリボ払いにしたい人は、以下のことに気をつけて利用するようにしましょう。

  • 月々の返済額はなるべく高めに設定する
  • 余裕があるときは繰り上げ返済する
  • 利用明細は必ずチェックする
  • できれば一括返済してリボ払いを終わらせる

今回当記事でおこなったシミュレーションでは、返済方式・利率などは一般的な例を想定したものですので、実際とは異なるケースがあります。各カード会社のホームページには自社の支払い方法に合わせた返済シミュレーションツールが掲載されているので、ぜひ利用してみてください。