年金受給者の入会資格・おすすめカード・審査に受かるポイント

クレジットカード最高何歳まで作ることができるのでしょうか?一説では「60歳以上は申し込めない」という話もありますが、実際のところ60歳を超えている人でも普通にクレジットカードを使っている印象があります。クレジットカードの年齢の上限について調べてみました。

「60歳が上限説」は昔の話

クレジットカードの入会資格をチェックしてみると、年齢については「高校生を除く18歳以上」と記してあるものの、「何歳まで」との規定はないのが一般的です。年齢は重要な審査項目ですが数ある属性のひとつでしかなく、「60歳を超えるとカードが作れない」は、今や昔の話となっています。

クレジットカードの上限年齢がなくなってきた理由としては、シニア世代の増加があげられます。消費が活発なシニア層を取り込まないことにはカード会社の業績を伸ばすことは難しい時代なのです。また、審査システムの精度向上により、高年齢でも返済能力に問題がない人を見分けられるようになってきたことも大きな理由です。

とはいえ100歳でもOKというわけにはいきません。高齢になるほど高い消費は期待できず、急に返済不能になるリスクが高くなるのは間違いありません。そうなるとさすがにカード会社もしぶりがちになります。では、何歳くらいまでならクレジットカードは作れるのでしょうか?

まず、仕事をして定収入があるなら年齢に関係なく入会が可能です。役員や現役経営者ならゴールドカードも作れます。働いていない場合は他の条件次第なのであくまでも一般論になりますが、60歳から65歳なら他の年齢層と同じように審査されます。

65歳から70歳であればやや厳しくなりますが、一定の収入があって他社借入が多すぎなければほぼ大丈夫でしょう。

70歳代から新規で入会するのはかなり難しくなり、80歳からはかなりの確率で断られるといわれています。

収入が年金だけでも大丈夫?

銀行カードローンや消費者金融では、年金は収入とはみなされず、年金生活者は対象外になるケースがあります。しかしクレジットカードの場合、年金は「安定収入」とみることが一般的なので、年金生活者でもたいていは申し込むことができます。JCBカード・三井住友カードといった有名なカードでも年金受給者は入会資格に含まれています。

ただし、利用限度額はもらっている年金額や年金の種類によって左右されます。たとえば共済年金や厚生年金・企業年金は安定性が高く上乗せ分が手厚いため、審査の際に評価が高くなります。一方、年金種別が国民年金のみの場合、満額の老齢基礎年金をもらっても年額780,100円にしかなりません。その場合、どうしても限度額は低くなります。

高齢者OKのクレジットカード

学生向けカード、女性向けカードがあるように、高齢者を歓迎するクレジットカードも少なくありません。系統別にみると交通系と流通系に多いようです。代表例をあげてみましょう。

大人の休日倶楽部ジパングカード
JR東日本発行のSuica一体型クレジットカードです。入会資格は男性が満65歳以上、女性が満60歳以上と、年齢に「上限」ではなく「下限」が付いている珍しいカードです。日本全国のJR線で20~30%の割引が受けられるほか、会員限定の切符やツアーの購入、年会費の夫婦割引などのサービスが受けられます。電車で旅行することが好きなシニアにおすすめです。年会費は個人なら4,285円、夫婦ならふたりで7,320円しますが、年2回旅行をすれば十分に元が取れるでしょう。

イオンカード
イオンは高齢者にとっても身近な存在なので、イオンカードはシニア世代でも入会がしやすいカードです。中でも「G.Gマーク付き」のクレジットカードは55歳以上限定のイオンカードで、毎月15日に「G.G感謝デー」にはイオン系列店舗で5%の割引を受けることができます。数少ないシニア歓迎のカードです。

楽天カード
専業主婦・パート・アルバイトでも「入りやすい」と評判の楽天カードは、60歳以上の人にも人気です。流通系の中でも審査が厳しくないことで有名で、他社で借り過ぎて入たり無収入でない限りは問題ないでしょう。ポイント還元率が1%と、ポイントが貯めやすいのも特徴です。ただし、楽天ポイントは主にインターネットショッピングモール「楽天市場」で使えるので、ネットショップに興味がない方にはメリットは薄いかも知れません。

エポスカード
マルイグループが発行するクレジットカードです。楽天カードと同じく入会しやすくて年会費がかからないカードとして有名です。丸井デパートをよく使われる方には特典がたくさんあります。丸井のカウンターに行けば即日発行も可能です。最近ではカラオケボックスに通うシニアが多いということで、「シダックス」や「ビッグエコー」の室料が30%割引になることも見逃せません。

年金受給者が審査に受かるポイント

高齢者でもクレジットカードを持つことは可能になった世の中ですが、現役世代よりも審査が厳しくなることは避けられません。同じ年齢で同じ年金受給者でも、審査に受かる人と受からない人を分けるポイントは何でしょうか?主な理由を上げてみましょう。

  • 他社借り入れがない(住宅ローンも返済済み)
  • 住居が自己所有
  • 年金種別が厚生年金もしくは共済年金

まず、ダイレクトに影響するのが現在の借り入れ状況です。住宅ローンを含めた他社からの借り入れが少しでも残っていると審査では不利になります。また、住居が賃貸だと生活費が家賃分多くかかるため、返済能力を低く見積もられます。

「収入が年金だけでも大丈夫?」でもふれましたが、唯一の収入である年金の種別が何であるかも重視されます。いわゆる「1階建て」しかない国民年金だと年額78万円程度にしかならないので、審査で断られるか最低レベルの限度額になります。2階建て・3階建て部分が上乗せられる厚生年金、共済年金だと評価が高くなり、年金額を理由に入会を断られることはないでしょう。特に共済年金には高い信用度があります。

70歳以上のカード申込の注意事項

60歳代までであれば問題ありませんが、70歳以上の場合はあらかじめクレジットカード会社に問い合わせて年齢制限がないか確認することをおすすめします。というのは、入会資格に明記していなくても70歳以上の審査は難しいとしているカード会社もあるからです。

年齢制限があると知らず何度も申し込んでしまうと、短期間に申込をしたためにどこからも審査を許可されない「多重申込」になってしまいます。半年以内に3件以上が多重申込の目安といわれているので、そうならないようにあらかじめコールセンターなどで年齢について確認してください。

できれば、70歳を超えてからカードを作るのではなく、現役時代や60歳代のうちに作っておくと安心です。