記録内容・評価されるクレヒス・上手な作り方

クレジットカードの審査に受けるためには、年齢や年収だけでなく、「クレヒス」が重要なのだそうです。クレヒスとは一体何でしょうか?良くするためには何をしたらよいのでしょうか?クレジットカードの審査において欠かせないキーワード、「クレジットヒストリー」について解説します。

クレジットヒストリーとは?

クレジットヒストリーとは、あなたの「クレジット利用履歴」のことです。クレジットの利用履歴は、個人信用情報機関に保存されています。

個人信用情報機関には、個人が金融商品を契約・借入・返済するたびにそのデータが保存されていき、金融機関はそれを閲覧することができます。クレジットとは何もクレジットカードに限った話ではなく、住宅ローン・マイカーローン・カードローン・スマートフォンの購入代金など、「借金」に該当する金融商品はすべてクレジットヒストリーの対象となります。

個人信用情報機関はいくつかありますが、クレジットカードの場合は多くがCICという機関に登録されます。つまり、CICに登録されている情報が、あなたにとってのクレジットヒストリーになります。

クレジットヒストリーが良いと、新たにクレジットカードを作ったり、カードをグレードアップしたり、限度額を増額することが可能です。逆にクレジットヒストリーが悪いと審査で断られることが多くなり、カードを作ることが難しくなります。

クレヒスにはどのように記録されているか

クレジットヒストリーで大事なのは、入金・返済に関する情報です。きちんと借りたものを返しているかが、審査の際に重要になってくるからです。

CICの場合、入金情報は以下のように記録されています。

《入金状況》
入金状況01

「$」とは請求どおり(もしくは請求以上)の入金があったことを表す記号です。この記録では、対象者は毎月きちんと支払いをしており、大変優秀は利用者であることが分かります。

では、次の場合はどうでしょうか。

《入金状況》
入金状況02

「A」という記号は、利用者の事情で約束の日に入金がなかったことを表します。ここ4カ月間は未入金、つまり延滞しているということです。カード会社にとって、こういう人に新たにカードを発行することはリスクが高いことはいうまでもありません。

「クレジットヒストリーを積む」という言葉がありますが、具体的にいうとCICの入金状況に「$」が並んでいる状態を指します。間違っても「A」を積んではいけません。


A以外にも、

  • P(請求額に満たない入金)
  • R(利用者以外からの入金)
  • B(利用者の事情以外の未入金
  • C(原因不明の未入金)

これらはクレジットヒストリーにはマイナスです。

「真っ白」が一番嫌がられる〜その理由

返済の遅れや未入金が目立つ利用者が嫌われるのはもちろんですが、それよりも評価が厳しくなるのは、クレジットヒストリーが「真っ白」な人です。

《入金状況》
入金状況03

このように、何の記録も残っていない人のことです。

クレジットを利用したことのない人、つまり借金をしたことがないという証明なので、むしろ堅実で立派だと思うのですが、金融業界からは歓迎されません。

なぜなら、カードをあまり使ってくれない可能性が高く、返済能力があるのかないのか分からないからです。

カードを良く使い、キチンと返済する人が好まれる

カード会社にとってうれしい顧客とは、よく使ってきちんと返してくれる客です。カードを使ってくれないとカード会社の実績にも利益にもなりませんから、あまりありがたくないのが本音です。しかも、返済をしてきた実績がないため、収入が高くても支払いにはだらしない人である危険性もあ否定できません。

金融業界が「真っ白な人」を警戒するのは、過去に金融事故を起こした人が含まれるからという理由もあります。自己破産や債務整理をした人は個人信用情報の中では「異動」扱いとなり、いわゆる「ブラック」となります。5年すれば異動情報は削除され新たなスタートが切れるので、クレジットヒストリーは真っ白な状態です。時間がたったとはいえ、過去に貸し倒れがあった人にはお金を貸したくないものです。

たとえ現実生活では堅実で高収入でも、クレジットヒストリーがないと審査に通りにくいのはこのためです。特に年齢を重ねるほど、白い履歴は敬遠されます。

歓迎されるクレジットヒストリーを作るには

クレジットカード会社が歓迎する顧客とは、「よく使ってきちんと返してくれる」顧客です。クレジットヒストリーでいうと、「$」マークがずらっと並んでいる人です。

入金状況は毎月記録されます。「$」マークが続くということは、毎月返済をしている人です。つまり、毎月カードで何らかの買い物をして、口座引落が問題なくできている状態です。

最近では高額な買い物でなくてもカードで支払いができるところが増えてきたので、こまめにカード支払いをすることは難しくないように思えます。しかし中には現金で支払うことが習慣化している人もいて、そういった人がクレジットヒストリーを積むにはどうしたらよいでしょうか?

返済を分けて支払う方法ならどうでしょうか。分割払いやリボ払いにすると、支払いは月々に分割されますから、入金状況には毎月「入金済み」が記載されます。しかし、分割払いやリボ払いは手数料がかかるので、あまりおすすめできません。

公共料金をクレジットカードで支払う

歓迎されるクレジットヒストリーを作るには、公共料金をクレジットカードで支払うのがおすすめです。電気・水道・ガスなどの公共料金は毎月発生し毎月支払うので、「こまめに利用して必ず返済」に該当します。クレジットヒストリーを作るために必要のない買い物をする必要もありません。
携帯電話の支払いも同様です。

ただし、きちんと返済されている履歴を残すことが重要なので、間違っても口座にお金が足りなくて引落に失敗、などという事態に陥ってはいけません。毎月の支払日を把握し、口座に十分な資金が入っていることを確認しましょう。

クレジットヒストリーはどのくらい必要なのか?

CICの照会データを見て分かるように、カード会社が個人の入金状況を確認できるのは過去2年分です。その間は遅延や未入金がないようにしましょう。

かといって何も登録されていない状況だとクレヒスにならないことはすでにお話しました。では、返済実績(記号でいう「$」)はどのくらいの期間必要なのでしょうか?

それは審査をする業者にもよりますが、最低でも1年は必要だといわれています。審査のハードルが低めのところなら、半年で良いとの意見もあります。

クレジットヒストリーは、2年間は不手際がなく、1年間は返済実績が残っている状態であれば、審査に受かる目安になるでしょう。