カードローンでお金を借りるとき、銀行カードローンか消費者金融のどちらを利用することになります。両者を比較すると、それぞれに長所・短所があります。ここでは、銀行カードローンと消費者金融の違いを比較して解説します。

銀行か消費者金融か悩む

印象では、銀行カードローンの方がイメージが良さそうですが、どちらにも「金利」「審査基準」「申込から融資までの時間」などにメリット・デメリットがあります。

「銀行カードローン」と「消費者金融」それぞれに向いている人は?

銀行カードローンと消費者金融を比較してみよう

銀行カードローン 消費者金融
適用される法律 銀行法 貸金業法
総量規制 なし あり
一般的な上限金利 14.5% 18.0%
その他サービス ポイントサービス等 無利息期間、ポイントサービス、おとくらぶ等の割引サービスがある

大きな違いは「総量規制」があるかどうか

銀行カードローンでは銀行法が、消費者金融では貸金業法が定められ、貸金業法には総量規制が適用されています。この総量規制とは、原則として個人の借入総額が「年収合計の3分の1」を超える貸付ができない仕組のことです。過剰な貸付けを抑制のためのルールです。

銀行カードローンは総量規制が適用されないので、基本的に銀行側が「返済能力がある」と判断すれば、高額な借入も可能になります。

銀行カードローンと消費者金融の一番の違いは、総量規制の対象になっているかどうかのはずですが…

近年は銀行カードローンでも年収の3分の1以上の貸付を自主規制する銀行が増えています。

どちらにしても、なるべく年収の3分の1以内の借入を意識した方がよさそうですね。

実は借入限度額に大きな違いはない

借入限度額は銀行カードローンの方が高いイメージがありますが、消費者金融も最大500〜800万円程度までの設定で、どちらも大口融資にも対応しています。ただし、銀行カードローンは1,000万円まで貸付してくれる銀行もあります。

銀行カードローンは金利が低い

銀行カードローンは総量規制が無いことに加えて、一般的な上限金利が14.5%と、消費者金融の上限金利18%と比べると低く設定されているのが特徴です。

金利 最大限度額
銀行 新生銀行カードローン レイク 4.5%~18.0% 500万円
みずほ銀行カードローン 2.0%~14.0% 800万円
三菱UFJ銀行カードローン 1.8%~14.6% 500万円
三井住友銀行カードローン 4.0%~14.5% 800万円
オリックス銀行カードローン 1.7%~17.8% 800万円
消費者金融 プロミス 4.5%~17.8% 500万円
アイフル 4.5%~18.0% 500万円
SMBCモビット 3.0%~18.0% 800万円
次世代型キャッシング ジェイスコア *0.8%~12.0% 1,000万円

*貸付利率(実質年率)0.8%については、みずほ銀行、ソフトバンク・ワイモバイル・Yahoo! JAPANとの情報連携を行った場合に限り適用。

消費者金融には無利息期間がある

特徴的な消費者金融のサービスに、「無利息期間サービス」があります。これは契約日(会社によって借入れの初日)の翌日から30日間の利息が0円になるサービスです。もし、短期間で返済できるなら消費者金融を利用した方が得をする可能性があります。

消費者金融には色んなサービスがある

無利息期間サービス以外にも、消費者金融にはさまざまなサービスがあります。また、消費者金融は「申込〜借入〜返済」までスマホで完結できるところが多いので、使いやすさに特化しています。

銀行カードローンには「ポイント付与サービス」を提供しているところが多い印象があります。月々の残高に応じてポイントが貯まるサービスです。

審査について比べてみた

銀行カードローン 消費者金融
審査のスピード 時間がかかる 早い
所得証明の提出 原則不要 *一定以上の利用限度額を超える場合は必要 利用限度額50万円超の場合や、他の貸金業者からの総貸付額が100万円を超える場合に必要
在籍確認 あり 一部なし
保証人 不要 不要
保証会社 必要(銀行が用意) 不要

申込から融資までのスピードは消費者金融が早い

いわゆる「即日キャッシング」は消費者金融でのみ対応しています。審査が早く申込当日の借入が可能なのが消費者金融最大のメリットです。

審査時間 融資まで
銀行 新生銀行カードローン レイク 即時 最短即日
みずほ銀行カードローン 翌営業日 翌営業日
三菱UFJ銀行カードローン 翌営業日 翌営業日
三井住友銀行カードローン 翌営業日 翌営業日
消費者金融 プロミス 最短30分 最短1時間
アイフル 最短30分 最短1時間
SMBCモビット 10秒簡易審査 最短即日

なぜ銀行カードローンの審査は時間がかかるのか

銀行カードローンのデメリットになりますが、審査は早くて1〜2日、遅くて1週間以上かかることがあります。銀行カードローンの審査が消費者金融よりも長い理由は、銀行本体と外部の保証会社(大手消費者金融や銀行子会社の保証会社)からの二重審査になるので時間がかかるからです。

消費者金融のように、フリーダイアルに電話をして審査を急いでもらうことができません。

銀行カードローンの方が審査は厳しい

上で説明したように銀行カードローンの審査は銀行とその保証会社がおこないますが、保証会社の役割は審査だけではありません。審査に通過すると、保証会社は利用者の保証人になります。もし、利用者が借金を返済できなくなった場合に、保証会社は肩代わりをしなければいけません。

銀行カードローンは、銀行からと保証会社からの「二重の審査」があるので時間がかかり、その分審査が厳しくなっています。

保証会社が債務者(借主)の代わりに借金を肩代わりして返済することを「代位弁済」を呼びますが、借金が無くなるわけではありません。

保証会社から一括返済の請求が送られてきます!

銀行カードローンには在籍確認が必須

銀行カードローンの審査では、必ず在籍確認があります。在籍確認は消費者金融にも原則ありますが、収入証明書を提出すれば省略してもらえる消費者金融があります。

それぞれの利用に向いている職業は

銀行カードローン 消費者金融
公務員 おすすめ 可能
専業主婦 可能 不可能
学生 審査が厳しい おすすめ

公務員なら銀行カードローンがおすすめ

公務員は社会的信用度がある職業で、安定した収入があり「返済能力が高い」として評価されるので、高額の借入ができる可能があります。

高額借入の場合は銀行カードローンの方が低金利になるケースが多く、借入金額が大きいほど金利は返済利息に影響するので、低金利で借入ができる銀行カードローンを選んだ方が得になります。

専業主婦なら銀行カードローンがスムーズ

基本的に専業主婦は年収0円のはずなので、総量規制がある消費者金融からの借入は不可能ですが、配偶者の保証とする「配偶者貸付」を利用すれば借入れができるようになります。この場合、「配偶者の同意書」「婚姻関係を示す書類」「配偶者の年収証明書」等の書類を求められます。実質は配偶者が借入することになるので、配偶者が消費者金融に直接申込した方が手続きはスマートです。

銀行カードローンには総量規制がないので、専業主婦でも貸付をする銀行があります。

学生なら消費者金融がおすすめ

学生の方に消費者金融をすすめる理由は、銀行カードローンは学生が審査に通る可能性が非常に低いからです。消費者金融からは、学生でも安定した収入がある20歳以上であれば借入することができます。

ただし、総量規制があるために借入れできる金額は「年収合計の3分の1まで」になり、「親からの仕送り」は年収に含まれません。パート・アルバイトでの一定収入があることが前提になります。

10万円以内なら消費者金融、50万円以上なら銀行カードローン

10万円以内の借入なら消費者金融がおすすめ

10万円以内なら消費者金融を利用をおすすめします。消費者金融には30日間の利息が0円になる「無利息期間サービス」があるからです。

無利息期間サービス中や、短期間で完済できるのであれば消費者金融の方がお得になる可能性があります。

10万円を銀行カードローン・消費者金融それぞれで借りたときの利息

銀行カードローン 消費者金融
年間の利息 15,000円 18,000円
1ヵ月の利息 1,250円(金利15%) 1,500円(金利18%)

比べてみると銀行カードローンの方が利息が低いのですが、消費者金融の「30日間無利息」を利用すると1ヵ月分の利息を払う必要がありません。

50万円以上の借入なら銀行カードローンがおすすめ

50万円以上の借入には銀行のカードローンがおすすめです。消費者金融で50万円以上の借入を希望する場合は、収入証明書の提出が必要です。

消費者金融は収入証明書が必要にな場合がある

消費者金融の場合、貸金業者は利用者の年収を確認する義務があります。1社から50万円以上、または複数社から合計100万円以上借りる場合は収入証明書の提出が必要になります。

結論:銀行カードローン・消費者金融それぞれに向いている人

安定した所得があり、特に緊急でお金が必要ではない方には銀行カードローンをおすすめします。申し込みから融資まので時間はかかりますが、比較的低金利で借入できるからです。銀行カードローンは自営業者の方や収入が低い方の場合、借入れが難しくなる傾向があります。

至急でお金を借りたい方には、即日融資が可能な消費者金融をおすすめします。また、消費者金融は身内に内緒でお金を借りやすいことが特徴になります。

銀行カードローンに向いてる人 消費者金融に向いてる人
・安定した高収入がある
・500万円以上借りたい
・少しでも低金利で借りたい
・属性に自信がある
・消費者金融で借りたくない
・なるべく早くお金を借りたい
・少額の借入を希望している
・借りてすぐに返済する予定
・属性に不安がある
・家族に内緒で借りたい

どうしても迷ったら、

  • 高額融資で長期的な返済なら銀行カードローン
  • 少額借入で短期間で返済なら消費者金融

というイメージで選んでもよいでしょう。