誤解だらけのクレジットカード利用限度額

クレジットカードの利用限度額とは

クレジットカードの利用限度額とは、「そのカードで利用できる最高金額」のことです。その金額は、カードを発行される際にクレジットカード会社が決定します。同じ種類のカードを使っていても、限度額は人それぞれです。

利用限度額は、個人の信用力に対して設定されます。収入や返済能力に問題がなければ、高めの限度額になります。逆に、他社での借り入れがかさんでいたり過去に返済が滞ったりしていると、限度額は低めになります。申し込みの際には希望限度額を提示しますが、審査の結果によっては希望額を下回ることもあります。

※目安の金額です。信用度によっては上記の枠に当てはまらない場合もあります

「限度額＝ひと月に使える金額」ではない！

クレジットカードの利用限度額でよくある誤解ですが、限度額はひと月に使える上限額のことではありません。その時トータルで使える金額のことです。たとえば限度額が50万円なら、支払い前の利用金額は最大50万円まで認められることになります。引き落し日に支払いをした分はまた使える金額として回復します。

たとえば、限度額50万円のカードで10万円分使ったとします。この時点で限度額は残り40万円です。翌月さらに20万円使います。限度額は20万円まで減ります。その月の引き落し日で先月利用分の10万円が引き落とされれば、限度額は30万円に回復します。

「限度額＝ひと月に使える金額」と考えてしまった場合、ひと月50万円以下だから先月30万円使って今月も30万使うことも可能と誤解してしまいがちです。しかし、実際には月をまたいだ支払いでも引き落し日まではトータルされますから、30万円Ｘ2は60万円になり、限度額の50万円をオーバーしてしまいます。

キャッシング枠も限度額に含まれる

次もよくある誤解です。クレジットカードの利用限度額には「ショッピング枠」と「キャッシング枠」があるのですが、実はキャッシング枠はショッピング枠に含まれます。つまり、どちらかを使うと、もう一方の限度額が減ってしまうのです。

たとえば、総限度額が50万円、ショッピング枠が50万円、キャッシング枠が20万円のカードがあるとします（総限度額＝ショッピング枠が一般的です）。仮にキャッシングで10万円使った場合、ショッピングの限度額は50万円ではなく40万円です。また、ショッピングで50万円使ってしまった場合、次の引き落としがされるまでキャッシングを利用することはできません。

利用限度額は増枠ができる

最初は控えめな金額だった利用限度額も、しばらくすると増額することが可能です。増額の方法は以下の3つです。

増枠を希望する場合、クレジットカード会社に電話をして増枠可能か審査してもらいます。審査がOKなら希望額にアップできますが、断られる場合もあります。最近では増枠可能な利用者には自動的にWeb上の会員ページに増枠申込のボタンが表示されるという仕組みになっているので、申請して却下されるというケースはまれです。

限度額は一時的に増やすことも可能です。海外旅行や結婚式など、一定期間だけたくさん使いたいという場合に利用できます。一時増額なので普通の増額よりも高額にすることも可能です。期間はカードの種類や申請時期にもよりますが、1カ月から3か月程度です。その期間が終われば限度額は元に戻ります。

限度額は高ければ良いとは限りません

利用限度額が高いと、使えるお金がたくさんあると錯覚してしまいます。しかし、実際には借りられるお金がたくさんあるだけで、限度額が300万円あるからといって、財布の中に300万円が入っているわけではありません。

限度額は高ければいいと思われがちですが、不必要に大きくすることはオススメできません。なぜなら、盗難などのトラブルにあった時に被害額が大きくなってしまうからです。

盗難や紛失、スキミングやフィッシングなどでカードを不正利用されてしまう際、犯人は素早く最大限度額までカードを利用します。限度額が50万円なら50万円、300万円なら300万円です。カードの不正利用は保険でカバーできますが、暗証番号を使われてしまった場合、補償の対象にならないおそれがあります。万が一に備え、限度額は必要最小限におさえておくことが賢明です。

限度額は減枠することも可能です。増額と違って手続きをするだけで簡単に限度額を小さくすることができます。キャッシング枠などは、申し込みの際にあらかじめ0円にするという方法もあります。