支払い方法やメリット・デメリット

インターネット上で税金をクレジットカード納付する方法としては、「Yahoo!公金支払い」が有名ですが、地方自治体が独自の納付サイトを用意している場合もあります。もちろん、使用したクレジットカードにはポイントが貯まります。どこの自治体が納付サイトを持っているのでしょうか?そのメリット・デメリットとは?

自治体のクレジットカード納付サイトとは?

一部の地方自治体では、クレジットカードを使った地方税の納付ができる仕組みを導入しています。インターネット上で納付できるので、家にいながらパソコンやスマートフォンで24時間いつでも手続きできます。役所や銀行の窓口に出向く必要がなく、クレジットカードには納付額に応じたポイントが付きます。

地方税をクレジットカードで払える自治体はまだ数が少なく、専用サイトを持っている自治体はかなり進んでいるといえるでしょう。様式やルールは自治体によってバラバラで、取り扱っている税目や使用できるカードの国際ブランドも異なります。お住まいの地域が対応しているかどうかは、市区町村の公式ホームページを参照してください。

似たようなシステムとしては「Yahoo!公金支払い」が挙げられます。

自治体によっては自前の納付サイトを持つのではなくすでに稼働しているシステムを利用するほうが安心ということもあり、2015年春見込みで累計600団体、全体の3分の1を占める自治体が参加しています。

直接クレジットカード納付ができる自治体は少ない

一方、独自の納付サイトを持っている自治体の数は、そう多くはありません。

2014年1月調査の「地方税の収納・徴収対策等に係る調査結果」によると、クレジットカード納付の仕組みを導入している都道府県・市区町村の数は、以下のようになっています。

<実施団体数>
都道府県: 16団体(さらに5団体が導入を具体的に予定)
市区町村: 51団体(さらに22団体が導入を具体的に予定)


<対象税目>
都道府県 自動車税: 全団体
市区町村 軽自動車税: 50団体
個人住民税: 37団体
固定資産税: 34団体
国保税: 25団体
その他税: 5団体

都道府県は47のうち16団体、市区町村は1,742のうち51ですから、十分に普及しているとはいえない状態です。今後はクレジットカード納付に対応する自治体は増えていくことが予想されますが、独自の納付サイト派・「Yahoo!公金支払い」派のどちらが優勢になるのかは現時点では判断できません。

いずれにしてもクレジットカードで納税ができる自治体は貴重ですので、お住まいの地域がこれに対応している場合はラッキーです。一度該当する地区町村の公式ホームページをチェックしてみてください。

直接クレジットカード納付ができる自治体例

独自の納付サイトを持つ都道府県・市区町村には、たとえば以下のようなところがあります。

自治体のクレジットカード納付サイトの使い方

クレジットカード納付のためのホームページは自治体ごとに仕様が異なりますが、手続きの流れはだいたい共通しています。

手続きの流れ
納付までに具体的な流れは以下のようになっています。

自治体から送られてくる納付通知書を受け取る

税を納める自治体のホームページ内の納付サイトへ

注意事項の確認(手数料や必要書類、上限金額など)

納付情報、支払い情報を入力

手続き完了

インターネットから税金の納付をするためには、納付通知書に記載されている「納付番号」「確認番号」が必要です。インターネットからのクレジットカード納付が可能かどうかは納付通知所にも記載されています。

手続きに入る前の注意事項は、きちんと読むことをおすすめします。手数料の具体的な金額や、領収証書・納税証明書の発行の有無などについて書かれています。

支払い手数料の目安

残念ながらクレジットカードの夜納付には手数料がかかります。金額が自治体や税目、納付額によって異なります。たとえば、東京都の決済手数料は以下のようになっています。

税額決済手数料
1円~10,000円73円(消費税込78円)
10,001円~20,000円146円(消費税込157円)
20,001円~30,000円219円(消費税込236円)
30,001円~40,000円292円(消費税込315円)
40,001円~50,000円365円(消費税込394円)
以降、税額が10,000円増えるごとに決済手数料73円(消費税別)が加算。

ここで注意したいのが、クレジットカード納付をポイント目当てにおこなう場合、手数料がポイント数を上回っては損になる、ということです。

たとえば、3万円の納付に還元率0.5%のクレジットカードを使ったとしましょう。ポイントは3万円×0.5%の150円ですが、上記のケースでは手数料は税込236円かかり、86円のマイナスです。

そのくらいの手数料を払ってでもクレジットカードで払いたい理由があるのでなければ、手数料のかからない他の方法(コンビニ払いや口座振替)にするほうがよいでしょう。

自治体の納付専用サイトで直接支払うメリット・デメリット

各地方自治体のクレジットカード納付サイトで納税するメリットやデメリットは何でしょうか?以下にまとめてみました。

自治体専用サイトを利用するメリット

  • 窓口まで行かずにインターネット上で納付できる
  • 24時間いつでも受け付け可能
  • 使用できる国際ブランドが豊富
自治体専用サイトを利用するデメリット

  • 納付手数料がかかる
  • 対応している自治体数が少ない
  • 対象の税目が少ない
  • 領収書が発行されない、または時間がかかる

自治体の納付サイトで得られるメリットは、「Yahoo!公金支払い」で得られるものと変わりありません。Tポイントを使えるぶん「Yahoo!公金支払い」のほうが一歩リードしているといえるでしょう。

また、手数料がかかってしまうので、コンビニで電子マネーを使って支払う方法のほうがコストの上で有利です。

しかし、納付サイトを所有している自治体はかなりすすんだ地域といえるでしょうから、せっかくなので利用しておきたいところです。

まとめ

自治体の納付サイトを利用するのに向いているのは、

  • クレジットカードで税金を払いたい
  • 該当する自治体がYahoo!公金支払いに対応していない
  • nanacoやWAONは持っていないし作る予定もない
  • 幸い自治体のサイトからなら払える

というケースです。

還元されるポイントは手数料で消えてしまうでしょうが、それでもクレジットカードで払いたい場合はぜひ活用してみてください。