カード自動付帯保険とカード会員向け任意保険

スポーツをするとケガや事故が心配です。かといって個別に保険に入るのには抵抗がある。そんな時、持っているカードにスポーツ保険が付いていると助かります。クレジットカードに付帯しているスポーツ保険には、どのようなものがあるのでしょうか?

スポーツ保険とは?

いわゆるスポーツ保険とは、スポーツ中におこった事故に対する補償です。スポーツの種別(ゴルフ・テニス・自転車等)ごとに分かれているものや、スポーツ全般をカバーするもの、スポーツ中以外でも適用されるものもあります。

スポーツ保険の中身はおおむね以下のいずれかになります。自分にとって必要なのは「本人に対する補償」か「他人に対する補償」か「モノに対する補償」かによって重視すべき保険が異なります。どれか一つに限定している保険もあれば、全体的に網羅している保険もあります。

  • スポーツ中に自分がケガ → 傷害保険金(入院・通院)
  • スポーツ中に自分が死亡 → 死亡・後遺障害保険金
  • スポーツ中に他人にケガを負わせる → 個人賠償責任保険金
  • スポーツ中に他人の所有物を破損 → 個人賠償責任保険金
  • スポーツ用品・携帯物の破損 → 携帯品損害保険金

これ以外にも、ゴルフ特有の「ホールインワン・アルバトロス保険」もスポーツ保険に含まれます。

スポーツ中はケガや事故が起こりやすいので、通常の傷害保険では除外されていることが少なくありません。特にスポーツを好んでされる人はスポーツ保険に加入しているといざという時に役に立ちます。

自動付帯しているのはゴルファー保険だけ、あとは任意

クレジットカードにはさまざまな保険が付帯していることがあり、スポーツ保険もそのひとつです。しかし、近年では国内外旅行保険やショッピング保険など主要な保険以外はどんどんサービスを廃止してきていることもあり、今では自動付帯しているのは一部カードのゴルファー保険のみです(2016年2月現在)。

あとのスポーツ保険に関しては、任意で加入する仕組みになっています。別途保険料が発生する保険もあれば、カード会員は保険料無料のものもあります。どうせ保険料を払わなければいけないなら、損害保険会社のスポーツ保険に入ればいいのでは?という気持ちになりますが、カード会員限定で加入できる保険は保険料が割安に設定されていることが多いのでチェックしておきたいところです。

ゴルファー保険が付帯したカード

ゴルファー保険が自動付帯したカードはそれほど数が多くありません。著者が調べた限りでは、ゴルファー保険が最初から付帯しているのは以下のカードで、どれも年会費の高いハイクラスなカードばかりです。

カード年会費
(税別)
ホールインワン・
アルバトロス
費用
賠償責任傷害ゴルフ用品
の損害
死亡
後遺障害
入院日額通院日額
KGA Golfer’s
カード
3,000円10万円1億円300万円4,500円3,000円10万円
KGA Golfer’s
GOLD カード
10,000円50万円1億円500万円7,500円5,000円20万円
CLUB ALBA
A’s GOLDカード
25,000円20万円5,000万円500万円7,500円5,000円10万円
ダイナースクラブ
ビジネスカード
27,000円10万円1億円300万円4,500円3,000円5万円
CLUB-A
ゴールドカード
16,000円1億円300万円4,500円3,000円
JALダイナースカード28,000円
JALカード
プラチナ
31,000円

KGAとは関東ゴルフ連盟のことで、協議の主催やジュニアの育成・ハンディキャップの普及などをおこなっている団体です。まさにゴルフのための組織が発行しているクレジットカードで、保険以外のサービスもゴルフ一色です。

この表の中では「KGA Golfer’sカード」が年会費に比べて一番コストパフォーマンスが良さそうです。

CLUB ALBA A’s GOLDカードは、ゴルフ情報誌ALBAが発行しているクレジットカードです。名門ゴルフ場への招待やプロゴルファーとのイベントなどの会員特典があります。ダイナースクラブは言わずと知れたステータスカードです。ゴルフをはじめとするレジャー・食事・エンターテイメントのサービスが一流で、ゴルファー保険が自動付帯なのもうなずけます。

CLUB-A、JALダイナース、プラチナはいずれもJALカードの系列です。付帯しているゴルファー保険も同種です。高い年会費とステータスのわりには補償金額はふつうで、ホールインワン・アルバトロス保険もゴルフ用品の損害補償も付いていません。トラベル関係のサービスやマイル還元率が優れているカードです。

ゴルファー保険は、熱心なゴルフ愛好家やビジネスマンを対象としたクレジットカードに多いことが分かります。

スポーツ保険に任意加入できるカードは沢山ある

オプションで加入できるスポーツ保険を用意しているカードは多数あります。ゴルファー保険だけでもかなりの種類があり、保険料も補償内容に合わせて数百円から1万円を超えるものまであります。
数種類のスポーツ保険から好きなものを組み合わせて選べるタイプもあります。たとえば、以下のカード会社の会員はいくつかある保険から自分にあったものを選べるようになっています。

  • JCBカード・・・ゴルフプラン、自転車プラン
  • セゾンカード・・・テニス、ゴルフ、スポーツ全般
  • 三井住友VISAカード・・・ゴルフ、自転車、ランニング、テニス、サッカー、野球、トレッキング、マリンスポーツ、スキー・スノーボードのコース

任意加入のスポーツ保険は、カードを持っているだけでは利用できないので注意してください。別途申込が必要です。加入方法はクレジットカードのホームページに記載されています。個人で加入するよりも、カードを通して加入した方が手続きも簡単で保険料も低めです。

若い人向けカードにはスポーツ賠償保険が付いていることがある

三井住友VISAクラシックカード(学生)とヤングゴールドカード20sには、「ライフ&スポーツ賠償付自転車保険」が付いています。会員自身が自転車で死亡・後遺障害を負った場合や、日常生活において他人を死傷させた場合や他人の持ち物に損害を与えた場合、最高100万円の補償が得られるものです。

若いうちはいろいろとムチャをしがちなので、若者向けのクレジットカードにこのような保険が付いているのでしょう。ただし、「付いている」といっても自動付帯や利用付帯ではありません。専用の加入通知書で申し込みをしなくてはいけません。そのかわり、保険料の負担は不要です。

カード会員向けのスポーツ保険は手軽で便利です

スポーツを熱心にやる人には、万が一に備えて保険に入ることはとても大事です。しかし、複数ある損害保険会社から条件に合ったスポーツ保険を探し出して申込手続きをするのはかなり面倒です。また、それだけのために保険料を支払うのはもったいない気もします。実際、ひんぱんにスポーツをする人でも保険に入っていない人は少なくありません。

クレジットカード会員向けのスポーツ保険なら、手続きはカード会社のホームページから24時間申し込み可能です。オプション加入のタイプなら、少ない保険料で自分に合ったスポーツ保険をつけることができます。

ただし、保険で大事なのは何といっても補償内容。自分に対する補償なのか、他人や物に対する賠償なのか、用具の補償なのか、どのくらいの金額があれば安心なのか、必要な補償内容をしっかり確認してから申し込むようにしましょう。