白金ちな


こんにちは。白金ちなです。
パスポートの期限が切れていることに最近気づきました。そのくらい海外に行ってない。。( ノД`)

今シーズンは年末年始の旅行者が増えると予想されています。旅行会社JTBの推計によると、国内旅行者数は前年同期0.9%増、海外旅行者数は2.8%増になるそうです。1月の2~5日が休めれば10連休になるので、ちょっと長めの旅行に行くチャンスということですね。いいなー。

しばらく海外旅行に行っていないと、いろんな仕組みが変わっているのに気づかなくて浦島太郎な気分です。いつの間にかトラベラーズチェックが販売終了になってるし(2014年3月31日)。

海外旅行といえば気になるのが現地でのお金。買い物や現地通貨が必要な時にどうやるのがスマートなやり方なんでしょうか?最新の情報をふまえて、ちょっと調べてみました。

基本は「カード+少額の現金」

海外旅行に慣れている人には釈迦の耳に念仏でしょうが、おさらいも兼ねて海外旅行でのお金の持ち方の基本についておさえておきましょう。

まず、多額の現金を持ち歩かないこと。日本円であれ、現地通貨であれ、現金を身につけて歩き回ることは海外では(日本でも)とても危険なことです。現金は紛失や盗難に遭っても補償してもらえません。現金は必要最小限にするのが海外旅行の基本です。

そのため、ショッピングやお金の引き出しができるカードは必須です。クレジットカードが主流ですが、デビットカードやトラベルプリペイドカードという手もあります。現地での支払いはできるだけカードでおこなうようにしましょう。現金の両替が少なくて済みますし、何に使ったか記録が残るメリットもあります。

カードは必ず2種類以上用意します。1種類の国際ブランド(VISAだけとか)だけしか使えないカードを持って行くより、複数のブランドを持って行った方が、使えるお店の範囲が広がります。また、利用限度額に達してしまったり、なぜかセキュリティロックがかかってしまったりと(海外ではよくある)、急にカードが使えなくなるケースも想定できるからです。

現地で買い物も引き出しもできる3つのカード

海外で使うカードは、ショッピングもできて、現金が必要な時にATMやCDで引き出せるものが便利です。私は海外旅行で使うカードは海外旅行保険が付いたクレジットカード一択だと思っていたのですが、最近ではデビットカードや海外専用のプリペイドカードを使用する人も増えているのだそうです。

定番はクレジットカード

海外旅行で使うカードの定番はやっぱりクレジットカードです。すでに持っている人が多い、盗まれたり紛失したりしてもすぐに利用を止められるので安全、海外でも使える場所が多くて汎用性高い、海外旅行保険やトラベルサポートデスクがついている、現金両替よりも為替レートが良いなど、いいとこずくめです。

ただし、クレジットカードにも弱点があります。カード文化があまり普及していない国や、屋台など小さなお店など、現金しか使えない場所がよくあります。また、タクシーは都市部では使えるところが増えてきましたが、まだまだ通用しないことがほとんどです。

もうひとつ大きいのが、使いすぎてしまうことです。旅行中はとかく財布のひもがゆるくなるもの。帰国してから青ざめる人は少なくないでしょう。なるべく現地ではカードを使うようにということでホテル・レストラン・施設・お土産とカードで支払っていると、限度額を超えてしまうこともあります。限度額を超えるとそのカードは使えなくなるので、その後の旅程が大変になりますね。

海外では広く使われているデビットカード

デビットカードは銀行口座にあるお金を使って買い物ができるカードです。キャッシュカードには口座のお金を引き出す機能、クレジットカードには買い物ができる機能が付いているので、デビットカードはその中間のイメージでしょうか。

日本ではクレジットカードの普及が先に進んでしまったので存在感が薄いイメージですが、海外ではデビットカードのほうが対応している場所が多いのが実情です。2015年のカード取引では、VISAのデビットカードが全体の35.50%、クレジットカードが20.02%を占めています。

参考・The Nilson Report「Global Cards – 2015

白金ちな


デビットカードで使えるお金の出所は自分の銀行口座に入っている残高ですから、それを超えて使いすぎることはありません。クレジットカードが借金であることとは対照的です。また、デビットカードは無審査で作ることができます。年齢制限もゆるく、15歳または16歳といった未成年でも持つことができます。

なお、「じゃあ今持っているデビットカードを持って行こう!」という場合はカードのロゴを確認してみてください。「J-Debit」のマークが入っているデビットカードは海外では使えません。これは国内専用の規格です。

近年は日本の銀行もデビットカードに力を入れているようなので、すでに取引のある銀行で作っても良いかも知れません。または、SBIネット銀行やソニー銀行のようなネット銀行なら、手数料が安く抑えられます。

トラベルプリペイドカード

事前にお金をチャージした分だけ使える海外専用プリペイドカードです。Suicaやnanacoを想像すればよいでしょう。

クレジットカードとデビットカードには銀行口座や個人情報が含まれていますが、トラベルプリペイドカードは匿名性が高く不正利用や盗難に強いのが特長です。入金した分しか使えないので、使い過ぎ予防にもなります。年齢制限もゆるく、13歳やまったくないというところも。

審査も銀行口座も必要ないので発行もスピーディ、サービスカウンターや空港で即時発行してもらえるカードもあります。有名なところでいうと、外貨両替専門店トラベレックスが発行する『キャッシュパスポート』、クレディセゾンの『NEO MONEY』、旅行会社JTBが発行する『JTB MoneyT Global』、FX証券取引のマネーパートナーズの『マネパカード』といったところでしょうか。

カードを入手したらすぐに入金(チャージ)しましょう。海外からでもできなくはないですが、環境によってはインターネットバンキングが使えないこともあるので、事前に済ませておくのがオススメです。クレジットカードやデビットカードのように、ポイント付与といった特典はありません。トラベルプリペイドはお金が余った時に払戻手数料(たいてい500円)が必要です。

カードの種類調達方法メリット・デメリット
クレジットカードカード会社に借りる 使える範囲が広い
× お金を使いすぎる
デビットカード自分の銀行口座 使いすぎる心配がない
× 日本の規格は海外で使えない
トラベルプリペイドカード事前にチャージ 安全性が高い
× ポイントなどの特典がない

海外で現地通貨を引き出す方法

カード払いに対応していないお店やチップの支払いなど、どうしても現金が必要になった時のために、最低限の現金は必要です。クレジットカードとデビットカードおよびトラベルプリペイドカードはいずれも現地通貨での現金引き出しが可能ですが、どれが一番便利でおトクなのでしょうか?

クレジットカードのキャッシングが一番おトク?

お金を借り入れるクレジットカードのキャッシングより、もともと自分のお金を引き出すデビットカードやトラベルプリペイドカードのほうが手数料は安いのではないかと思ったのですが、調べてみるとそうでもないようです。

手数料の目安1,000ドル出金すると
クレジットカードキャッシング年率18%(月1.5%)約1,800円(繰上げ返済なし)
デビットカードで出金決済レート+約3%約3,600円
トラベルプリペイドカードで出金決済レート+約4%約4,800円
※1ドル120円で換算した目安です
※手数料は金融機関によって異なります
※ATM利用手数料は別

ショッピング利用の一括払いと違い、キャッシングでは一括払いでも手数料が発生します。キャッシングの金利手数料はだいたいどこも年率18%なので、たとえば1,000ドル(約12万円)引き出して1か月後に返済するとしたら利息は1,800円ほどです。しかしキャッシングの利息は日割り計算されているので、1週間後に帰国してすぐに繰上げ返済をすれば、手数料は400円ほどで済みます。

一方、デビットカードは海外で出金する際2.5~3.5%ほどの手数料がかかりますので、繰上げ返済をしないキャッシングよりもさらに倍近い手数料がかかります。トラベルプリペイドカードは4%が一般的な手数料で、マネパカード(0.8%)を除けばデビットカードよりも高くなっています。

したがって海外で現金を入手したい時は、クレジットカードでキャッシング&繰り上げ返済が一番おトクであることが分かります。

「国際キャッシュカード」ってどうなの?

先ほど紹介した3つのカードの他に、海外でお金を引き出すには「国際キャッシュカード」という手もあります。銀行のキャッシュカードの海外版で、日本の銀行に預けているお金を現地で引き出すのに使います。

白金ちな

お金の元手が自分の銀行口座で、使いすぎる心配がない点はデビットカードと同じですが、国際キャッシュカードはショッピングには使えません。

ショッピング用に1枚、現金引き出し用に1枚持つよりは、1枚に2機能集約されている方が便利ですよね。手数料も高めであることからニーズが少ないのか、ゆうちょ銀行やみずほ銀行をはじめとした大手銀行の撤退が相次いでいます。

国際キャッシュカードは今後勢いを失っていくのかなと感じたのですが、どうなんでしょうか。

海外ではどこでお金を引き出すの?

海外には日本の銀行のATMやコンビニATMは滅多にありません。クレジットカードやデビットカード、トラベルプリペイドカードでお金を引き出したい場合は、「Visa」もしくは「PLUS(プラス)」、または「Mastercard」もしくは「Cirrus(シーラス)」というマークがついたATMやCDを使います。端末にカードを差し込んで暗証番号を入力すれば、その場で現地通貨の現金が引き出せます。

海外ATM設置場所は以下のリンク先に掲載されています。

海外ではATMの近くで引き出したばかりのお金を狙う強盗がいますから、道沿いのATMよりは、大型ショッピングセンターなど治安の良いところを選ぶのが良いでしょう。

マイナー通貨は現地で両替というけれど

米ドルやユーロ以外のマイナー通貨、たとえば元や韓国ウォン、シンガポールドル、台湾ドルのようなメジャーではない通貨は、「現地での両替が鉄則」だといわれています。日本にはあまり流通していないためレートが悪くなり、現地だとレートが良くなるためです。

しかし、空港での両替は高くつくし、街中でレートの良い両替所を探すのは大変です。レートの交渉をしたり紙幣の枚数をごまかされていないかチェックしたりと、とにかく面倒。現地の両替所は上級者向けまたは最後の手段でいいのかな、と思います。

新しい!と思ったサービス

久しぶりに海外旅行関係の情報を調べていたら、「こんなのができてたんだ!」と思ったサービスがいくつかあります。

FX会社の外貨宅配サービス

FXといえば投資というイメージですが、出発前に外貨を入手する方法として優れているのだそうです。とにかく手数料が安く済むのだとか。

外貨宅配サービスとはインターネットで両替依頼をしておけば自宅や職場に外貨が届けられるサービスです。銀行や金券ショップが主に取り扱っていたサービスなのですが、最近ではFX会社の外貨宅配サービスが注目されています。

マネーパートナーズを例にとると、米ドル・ユーロ・ポンド・スイスフラン・韓国ウォン・中国元の6通貨に対応していて、両替手数料は米ドル/円レートが120円なら170円で済みます。銀行や金券ショップなら2,500円かかるところです。これを空港に送ってもらうと受取手数料500円が必要ですが、それにしても割安ですよね。成田・羽田・関西・中部の4空港が対応しています。

事前に口座を作っておかないといけないのが私としてはネック。普段からFX投資をしていて口座を持っているなら抵抗感もあまりないでしょう。また、依頼から受け取りまで数日かかることも注意です。先ほどのマネーパートナーズなら、金曜日に受け取りたいなら月曜日の16時までに申込みを済ませておく必要があります。

旅行であまった外貨を電子マネーやギフト券に交換

使い切れなかった外貨ってどうしていますか?私は旅先の思い出として小さい瓶に入れて飾っていますが、コインだけじゃなくて紙幣も結構あって、「これって合計したらいくらになるんだろう?」っていつも考えています。

でも、最近は羽田空港や関西国際空港にあまった外貨を電子マネーやギフト券に交換できる端末が設置されたらしいです。余った外貨を投入すれば、楽天EdyやAmazonギフト券に交換可能。ユニセフに寄付、というのもあります。2015年創業のポケットチェンジという会社が始めました。現在対応している通貨は、米ドル、ユーロ、中国元、韓国ウォン、日本円です。

訪日外国人のあまった日本円貨対策で空港にガチャガチャを並べたというのもナイスアイデア!と思ったのですが、電子マネーに交換は時代って感じがしますね。

結論:いつか両替すらいらなくなる日が来るのかも

初めての海外旅行の時、両替には苦労した覚えがあります。あれから何十年(遠い目)、世の中は進化していますね。

白金ちな

最後にこんな話を。旅行会社エイチ・アイ・エス(H.I.S.)が、ビットコインを決済方法として採用したとのニュースです。

ビットコインといえば仮想通貨の代表格。仮想通貨には国境という概念がありませんから、世界中に仮想通貨が普及すれば、両替手数料なしにどこでも同じ通貨で買い物ができます。

今はまだ発展途上ですが、いつかそんな時代がやってくるのでしょうか。

その頃には現地の両替所でぼったくられた私の思い出は神話となっているでしょう。

海外旅行にお金を持っていく方法についてまとめてみましたが、やっぱりこういうのは経験の多い人の話のほうが面白いですよね。バンバン海外に行っている方、実際のところどうなのかぜひ教えてくださいねー。