白金ちな


こんにちは、暑いですね!白金ちなです。

お盆参りには行きましたか?

故郷に帰省された方の中には、お墓について家族と相談する機会もあったかもしれませんね。

近ごろは昔のように「先祖代々のお墓に入ることになっている」人は少なくなってきており、自分のお墓は自分で考える時代になってきています。

しかし、今はお墓の種類も値段も豊富で、選ぶ楽しみがある反面なかなか決められないという大変さも。しかも「お墓の値段」は単に墓石を見積もればいいというものではなく、どこに設置するのか、誰が管理や供養をするのかによって価格は大きく変わってくるのです。

今回は、大事なことなのになかなか大っぴらに話せない「お墓の値段」を調べてみました。お墓にかかる平均的な費用や、新しいお墓のスタイルについても取り上げています。

お墓購入までのステップ

お墓を手に入れるには、次のようなステップを踏みます。


どんなお墓がいいか決める(費用・場所・墓石の形や大きさ)
 ↓
霊園・墓地を探す(交通アクセス、区画、環境)
 ↓
墓石をさがす(素材、サイズ、デザイン)

白金ちな


まずは希望するお墓の条件を決めることが先決です。昔と違って今はお墓も自由に決められるようになりましたから、さまざまな条件を比較して自分に合ったものを下がることが大切です。

いきなり墓石のデザインに取りかかってしまいそうですが、まずは確保できそうな墓地や霊園を探して、次にそこに設置できる墓石を検討するという手順になります。

はじめから墓石にこだわってしまうと、希望の墓地ではスペースや石材店の条件に合わないというトラブルが生じてしまいます。墓地・霊園はお寺や自治体、民間企業から探します。

民間では石材店が窓口になっていることが多いですね。ちなみにお寺にあるものを「墓地」、それ以外の所にあるものを「霊園」といいます。最近ではごっちゃになっているところも多いようですが。

墓地・霊園の選択肢は3つ

墓地や霊園はたいてい以下の3つから選ぶことになります。それぞれにメリットデメリットがあり、好みだけでなく立地も視野に入れて検討する必要があります。

種類運営メリットデメリット
寺院墓地お寺さん・環境が良い
・管理が行き届いている
・檀家に入らなければならない
・行事への参加やお布施が必要なことも
公営霊園自治体・価格が低め
・宗派や石材店の制約がない
・競争倍率が高い
・すべての自治体にあるとは限らない
民間霊園宗教法人や
財団法人
・募集が多い
・多様な形態があり選択肢が広い
・指定の石材店で墓石を買わなければいけない
などの制約がある場合も

檀家に入って寺院墓地へ

「寺院墓地」とはお寺の境内にある墓地のことです。本堂や本尊がそばにあり、近くに僧侶が住んでいるとあって、独特の風格と安心感があります。しかし最近では特定の宗派を持たないご家庭が増えたためか寺院墓地は減少傾向にあります。お寺によってはお布施や行事への参加が必要なことも。

競争の激しい公営霊園

都道府県や市区町村ごとに管理運営されているのが「公営霊園」です。地方によっては「共同墓地」と呼ぶところもあります。宗旨・宗派といった宗教的制約がなく、使用料も低く抑えられているため、場所によっては倍率が数十倍になるなど競争が激しいのが特徴です。住んでいる場所や引き継ぐ者がいるかなど応募条件が厳しく、募集も不定期です。

個性的で商業的な民間霊園

民間企業が財団法人や社団法人、または宗教法人から委託を受けて運営をしているのが民間霊園です。広告やCMでよく見かけるのはコレです。顧客獲得のために個性的な方針やサービスを打ち出しているところが多く、新しもの好きの方に向いています。宗派やお墓のデザインの自由度が高い一方で価格面では割高感があります。売り手本体は石材店や霊園販売店であることが多い。

墓石だけじゃない!お墓にかかる総額

お墓にかかるお金は墓石だけではありません。「永代使用料」や「管理費」もあわせて考える必要があります。

お墓の値段
||
墓石代
(墓石代、加工費、工事費など)

永代使用料
(お墓のための土地使用料)
+
管理費
(草刈りや修繕費といった共益費のようなもの)

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墓石代は墓石本体に加え加工費や設置工事費などがかかります。また、墓地・霊園には永代使用料というお墓を置くための土地使用料を支払う必要があります。

あくまでも「借りる」のであって土地を購入するわけではありません。「永代」とは「受け継ぐ人がいる限りずっと」という意味なので、継承者がいなくなるか管理費を滞納すれば権利を失います。

管理費は額が小さいので考慮しなくてもいいかも知れませんが、寺院墓地ではお寺の運営費として管理費を徴収ところもあります。

それらを合わせていくらかかるかですが、これが例によってピンキリです。ざっと100万円から300万円と言われていますが、もっと安い人ももっと高い人もたくさんいます。値段は墓地の立地や区画の広さ、墓石の材質やデザインなどによって大きく変わります。

アクセスの良い墓地の区画面積3立方メートルを超える広さに高級石材を使ったデザイン墓石を置こうとすると300万円では済みません。逆に田舎の山奥の狭い共同墓地にちょこんとした墓石でいいなら100万円もかからないでしょう。

お墓の総額は平均200万円

値段がピンキリとなると参考になるのが実際に購入した人の支払額です。お墓に使った総額を調べた調査がありました。墓石と永代使用料を合わせた金額がいくらだったのか見てみましょう。

お墓の総額



白金ちな

お墓や葬儀に関する出版社である株式会社鎌倉新書が運営する「いいお墓」によると、2016年のお墓にかかった費用の全国平均は181.5万円でした。その前年は201.6万円、全国では200万円前後がお墓の相場と考えるのが良いでしょう。なお、お墓にかかるお金は年々ゆるやかな減少傾向にあります。

2015年には地域別の調査結果もあります。主要都市別お墓の平均価格を見ると、地価の高い都市部で全国平均を上回ることが分かります。

また、千葉県や福岡県は1つのお墓に使う区画が他の地域よりも広いこともあり、東京よりもお墓にお金を使う傾向があります。京都は区画がそれほど広くないのに東京よりも高額になっており、格式の高いお寺でお墓を持とうとするため利用料が高くなるのではないかと私は推測しています。


主要都市別お墓の平均価格(2015年)

地域お墓の平均総額平均区画面積
全国201.6万円1.44㎡
東京都217.4万円0.63㎡
神奈川県212.7万円1.22㎡
千葉県229.0万円1.76㎡
埼玉県180.7万円1.30㎡
愛知県179.3万円1.50㎡
大阪府197.4万円1.47㎡
京都府231.5万円0.96㎡
兵庫県178.1万円1.31㎡
広島県155.7万円1.54㎡
福岡県250.4万円1.66㎡
(太字:全国平均から大きく乖離する数値)



お墓にかかるお金の内訳はさまざまですが、だいたい墓石と永代使用料の割合が2:1くらいです。たとえば2015年の場合、墓石にかかる平均価格は133.8万円、永代使用料の平均価格は67.7万円です。

安価なお墓のニーズが高まっている一方で、300万円を超えるような高価格墓所・墓石の購買層も増える傾向があり、お墓にかけるお金の価値観も多様化しているのが分かります。

それは、従来の一般的なお墓だけでなく、新しい形態のお墓が浸透してきていることからも伺えます。

新しいお墓のスタイル「永代供養墓・納骨堂・樹木葬」

寺院墓地や公営霊園は、お墓を受け継ぎ供養してくれる人がいることが前提になっています。しかし子供が遠方で継承することが難しいことや、そもそも子供がいない場合は、高い永代使用料を払って一代限りで撤去されてしまうことになります。

永代供養墓はいわゆる「墓守」をする必要がありません。代わって供養してくれるサービスが付いているので、お墓の近くに住んで定期的に掃除やお花を供えに行ったり、お寺とのお付き合いや法事のたびの雑事をしなくてもよいのです。

そのような新しい形態のお墓には「永代供養墓」「納骨堂」「樹木葬」があります。

墓所形態の割合



アンケートを行った団体にもよりますが、永代供養墓の形態をとるものはお墓全体の10~15%を占めるようになりました。今後もっと増えることも考えられます。永代供養墓や納骨堂は一般のお墓と比べて価格が低いことが特徴です。具体的にみていきましょう。

団体色が強い永代供養墓

一般的な永代供養墓は地下または半地下に骨壺を安置するスペースがあり、地上に塔や像、記念碑を建立したものです。宗教色のないものが多く、費用も安価で済みます。埋葬や追悼儀礼が合同になる場合が多く、団体色が強いお墓といえるでしょう。データでは平均価格が82.3万円とありますが、個別埋葬ならそのくらいで、合同埋葬なら30万円~60万円が相場です。公営霊園の場合は「合葬式墓所」と呼ばれることもあります。

永代供養墓の総額

とにかく設備がいい納骨堂

納骨堂とは屋内にある棚式やロッカー式のお墓のことです。個人や夫婦で個別に埋葬・納骨し、好きな時にお参りできます。比較的交通アクセスの良い場所に多く、設備が整っているため、お墓の都市型マンションといった感じです。最新型では遺骨をコンピュータ制御で参拝スペースまで運んでくれる自動搬送式のものもあります。屋内なので天候に左右されず、掃除も必要ありません。相場は50万円〜120万円、平均して86.5万円と、一般のお墓よりは安価ですが、永代供養墓や樹木葬と比べると高めです。

納骨堂・そのほか永代供養墓の総額

エコでロハスな樹木葬

屋外型の墓地に墓石の代わりに樹木や草花を植える形態のお墓です。大きなシンボルツリーの周りに納骨するタイプもあります。樹木を墓標とし、遺骨を土に還すことから自然志向派の人達からの支持が高くなっています。相場は30万円~70万円と非常にリーゾナブル。そのため募集の際には高倍率の抽選になることもあります。山深い自然の中に作られた「里山型」と、公園や庭園といった風情の「公園型」があります。

樹木葬の総額

お墓探しにかける時間は平均85.3日

契約に至るまでの期間割合
3ヵ月未満34.7%
1ヵ月未満18.6%
6ヵ月未満13.8%
1年未満9.6%
1週間未満9.0%
2週間未満7.2%
3週間未満4.8%
2年未満2.4%

お墓を探し始めてから契約に至るまでの時間は、平均すると2か月半という結果が出ています。約75%の人が、3か月までに契約を結んでいます。

しかし中には2週間以内にパパっと決めてしまう人もいれば、1年以上かけてじっくり選ぶ人もいます。分かっているのが、時間をかけて選んだ人の方が契約後の満足度が高いこと。

先の調査によると、墓地・霊園を3か所以上見学した人のうち「大変満足している」と回答した割合は79%なのに対し、3か所に満たない場合は67%となっています。

どのくらい時間と手間をかけられるかはそれぞれの事情によって異なりますが、できれば3か月以上かけて情報収集し、3か所以上の見学をすると失敗する可能性が低くなりそうです。

データの参考
「第8回 お墓の消費者全国実態調査」霊園墓地 購入動向

結論:自由度が増した分選ぶのが大変になった

白金ちな



お墓は墓石以外にも永代使用料がかかること、新しいお墓の形態では比較的価格がおさえられることが分かりました。

値段もさることながら、墓地や霊園、お墓の形やデザイン、供養や埋葬の方法など、さまざまな選択肢から自由に選べる時代になっています。便利になった一方で、情報収集が大変ですね。

「お墓なんて何でもいい」とお考えも人も多いでしょうが、それだと残された家族が選ぶのが大変になってしまうので、できるだけ具体的な希望を家族とは共有しておくのが良いと思います。